ダイハクリョク氏、古本の知識をさらに深める

おはようございます。140Bのダイハクリョクことおおさこちからでございます。
『京都を買って帰りましょう』はすこぶる好調のようで、
中島淳社長は今日も愛娘が書店で可愛がってもらっている様子を聞いては、ニコニコしています。

京都を買って帰りましょう。 (エイムック 1309)

京都を買って帰りましょう。 (エイムック 1309)


さて、昨日は『京都に住まえば』にコラムを連載して頂くことになった、
漫画家のグレゴリ青山さんと大阪古書組合の古本市を見学しに行って参りました。
グレゴリ青山さんと言えば、『しぶちん京都』などで既におなじみ、
いけずやしぶちんをキーワードに「ナマ」の京都を描く名手です。
キョースマには、そんなグレちゃんことグレゴリさんが、
京都人よりも京都っぽいと言われる「ヨソさん」たちを師匠として、
京都のことを教えてもらうという趣向。その名も「ヨソさんといっしょ」。
原稿も頂き、素敵なレイアウトも仕上がっています。

しぶちん京都

しぶちん京都


そんなグレゴリさんと、まずは東梅田にて待ち合わせ。
取材に先立ち、お初天神の[瓢亭]にて夕霧そばを食す。これが旨い。
腹仕度も整ったところで、古書協会のある谷町4丁目へと向かう。
グレゴリさんは『彷書月刊』という古書フリーク向け雑誌に連載をされている。
その連載が貯まったので単行本になるそうで、同じ単行本に収録する書き下ろし漫画の取材のため来阪された。
ということは? そうです、不肖・オオサコは何の関係もないのでありました。
が、ミーツ時代に岡崎武志師匠に弟子入りした「古本道場」企画をご覧になり、
学生時代に古本屋でバイトをしていたことなどを知ったグレゴリさんがお声をかけてくれたという次第です。


それにしても学生時代のバイトはなぜか古本店ばかりで、
尼崎の小さな店、その店の本店であるメトロ神戸の「古書のまち」にある古本通の集まる店、
はたまた清水国明のCMでおなじみのブックオフと、古本屋でもさまざまなジャンルを渡り歩いておりました。
とくにメトロ神戸は、地下で冷房が無いため夏場は汗びっしょりで、いわゆるビニ本をビニールパックに詰めたり、
ブックオフでは本の内容ではなくキレイか汚れているかで買い取り値段を判断しておりました。
…というような古本ギョーカイ話を道中に差し上げる。
谷町4丁目の駅から歩くこと10分。行けどもビルが見つからない。
雑誌に載った写真と風景を見比べてようやく発見。二人して呟く。「このビル、地味すぎる…」



おお〜! 会場に入ると、予想通りいきなりの本の山が立ちはだかる。
古本市と言っても、フリーマーケットのような生やさしいものではない。
古本屋というより古書店と呼ばないと怒られそうなプロの方々が静かな火花を散らす入札市である。
本の束に付けられた封筒に、思い思いの入札金額と名前を書いて入れるのだ。
BGMなどはもちろんない。時折、「これはこんなに要らんか」といった独り言が聴こえてくるのみである。
はっきり言ってオオサコはただの見学でしかないのだが、元店員の埃っぽい血が騒ぐ。
図らずも、以前、ミーツの取材でお世話になった天神橋筋の[矢野書房]の矢野さんにいろいろと取材。
札の書き方(1万円以下の金額なら2つ、1万円以上なら3つ書ける)に始まり、
参加者たちのビミョーな駆け引き(多く入札されているように見せるため出品者が何も書いていない札を入れる、など)、
金額と名前を書いた札はここでは現金と等しいことなどなど、
一体どこで役に立つのか分からぬ知識をどんどん仕入れ、ますます古本の道へ奥深く歩を進めて行くのであった。



いつかこの経験が役に立ちますように。いや、立てるべく企画書を練ろう!
『トム・ソーヤー・ワールド』に「男心にじんわり効くかもしれない、古本市めぐり」、
『キョースマ』で住居兼店舗の古書店の1日を紹介する「古本屋に住まえば…」。
うーん、ダメかな。



↑この封筒に札を入れる。中をのぞくのはもちろん御法度。
触ってどのくらい入っているか探るのはオッケー



↑改札する様子。落札者はこの後、マイクで読み上げられる。
読み上げるのは組合の会長さんのお仕事