取材者、ではなく取材される者こと江 弘毅です(初登場)。

編集者あるいは書き手である、140Bの「編集責任者」江弘毅ですが、このところ、逆に取材されるケースが増えております。

先週の土曜日は、朝日新聞のあの「アエラ」編集部の浜田奈美さんが、土曜休みにもかかわらずはるばる東京から取材に来られました。

講談社新書の「街的ということ〜お好み焼き屋は街の学校だ」を読まれていたところ、偶然、広島のお好み焼き(広島焼きか)の店で、大阪の観光客が刺された事件があり、それはきっと広島焼きの店員に、大阪の人間が「こんなんお好み焼きちゃう」とか何とか言って、喧嘩になって…と思ってらしたそうです。
けど、調べてみると犯人に精神障害があった、ということなのですが、わたくし江弘毅も、その事件についてこれも偶然スポーツ新聞を見て、「広島かあ。あっこも濃いしなあ。そら、よそにいってそこのお好み焼きをバカにしたら、刺されるわなあ」と思っていました。

浜田さんは、それで関西や広島の人にとって「お好み焼きとは何なのか」という企画をアエラですすめてられてます。

またその少し前、朝日新聞の大阪本社の阿久沢悦子さんから、「おかん、おとん」という言い方について、電話取材されました。

そしてこんな記事が載りました、爆笑苦笑です。

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あの「呼び方」を追え!

 今年のベストセラーでドラマや映画にもなるリリー・フランキーさんの『東京タワー』の副題は「オカンとボクと、時々、オトン」。両親のことを「オトン」「オカン」って呼ぶのは、すっかりポピュラーになったみたいだけど、元をただせば関西弁とちゃうかった? みんなはお父さん、お母さんのことをなんて呼ぶ?(阿久沢悦子)

 まず、長男の通う神戸市立福池小学校。6年生のうち、「お母さん」57人、「ママ」19人、「かあさん」と「おかあちゃん」各2人。でも、いましたよ、「オカン」も1人。

 リリー・フランキーさんの故郷、福岡は? 福岡市立百道浜(ももちはま)小学校の6年生では「お母さん」圧倒的優勢。140人中130人。「ママ」5人、「オフクロ」2人、「母」3人、「オカン」はゼロ。

 私の母校、横浜市立不動丸小学校でも、やっぱり「お母さん」が130人中73人と過半数。「母さん・母ちゃん・ママ」と合わせて9割を占めた。「オカン」はいなかった。

 大阪・岸和田市出身の編集者江弘毅(こう・ひろき)さん(48)は「だいたい下の毛が生えるころ、親の呼び方が変わる。お母さんやママと呼んでるうちは子どもやね」。で? ご自身はなんと? 「オトウ、オカア。これが正しい泉州弁です」

 江さんが、初めて耳にした「オカン」は20年前、京都出身のイラストレータみうらじゅんさん(48)の留守電で。「この電話は京都のオカンに転送されます」。みうらさんは「あー、いいますね、オカン。でも、京都ではオトンは使わなかったなあ」。

 方言を研究している大阪大学の真田信治先生(さなだ・しんじ)によると、102年前に国定教科書で「おかあさん」と書かれたのが、発端らしい。それまで、上流階級は「お母様」、庶民は「母ちゃん」だった。関西弁は一般に音節を縮めていく傾向がある。「おかあさん→オカーハン→オカーン→オカン」と変化して、大正から昭和にかけて定着した。その後、「オカン」に対応して「オトン」が生まれたのではないか、という。

 大阪市の商家に育った作家の藤本義一(ふじもと・ぎいち)さん(73)は、「市内では昭和の初めごろから、オトン、オカンを使ってましたよ」。ただし、用法は限られていた。叱られて納得がいかない時、友達にボソっと、「昨日な、オトンに怒られてん」。「『オトン』とくれば『叱られる』。係り結びみたいなもんやね」。今のように親しみを込めて「オトン」「オカン」と言い出したのは最近みたい。

 私も、叱って恨まれる「オカン」じゃなくて、息子に孝行してもらえるかわいい「オカン」を目指そうっと。 え? そんな虫のいいオカンはアカン?

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阿久沢さんは、江に電話した後、みうらじゅんさんにも「江から聞いたのですが」と電話したらしいです。

明日はNHKラジオ第1放送「かんさい土曜ほっとタイム」の2時台でゲストに招かれております。
「おもしろ人物ファイル」というコーナーで、約1時間、生放送!の全国放送!!で、「街的ということ」についてを中心に、佐藤誠エクゼクティブ・アナウンサー(NHKアーカイブスでおなじみの関西弁のナイスおじさんです)と話します。

NHKさんナマで大丈夫ですか? 知りまへんで、ほんまに。

そのあとサンケイ新聞社の宮本さんの「大阪・ミナミの街の成り立ち方について」の取材も待っております。