産経新聞夕刊の美味しい話の告知。

作家の黒川博行さんのご縁で、ときどき、
わはは、うひひ、ぐびぐび…と遊んでいただいている
産経新聞のトリイブチョーさん。
青山ゆみことは、街社会において舎弟の盃を交わした仲でもあります。


少し前からリニューアルされた、
ブチョーさんが手掛ける産経新聞の夕刊にて、
そんなご縁もあってかなくてかいやあってだろう…と
3週間に1回のお店の話を書かせていただいてます。



『昭和の味 平成の逸品』銘打ったこの企画。
毎回、あるひとつのメニューを通して、
昭和から続く老舗と
平成以降に開店したお店を
料理や成り立ちなどから取材して話をしよう、
という内容です。



ほとんどが、青山の私的行きつけ店であり、
ミーツ時代に取材経験の店でもありますが、
今回はじめて聞くお話も多く、
取材も毎回、楽しみに出かけています。


そして次回は、明日の5月2日(水)の夕刊。
駅の売店などで見かけたら
何気なくご購入くださいませ(へへへ)。


あたしも嬉しい、トリイブチョーもきっと嬉しい。
そして、なにより、読んで行っていただいたら
きっと皆さんにも嬉しいがあると信じております。


そして、今日は、ボーナストラックとして
前回の「オムライス」の2軒の原稿をアップします。
関西圏外の方も、こちらに出張の際はぜひどうぞ。

※黄金週間中は、お休みが変動の可能性あり。あしからず。



産経新聞4月11日夕刊掲載 写真・文=青山ゆみこ
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●平成の逸品『グリル末松』 神戸・加納町

港町の風情を残す老舗洋食店が健在の神戸にあって、平成生まれのトラディショナル洋食として地元民に支持されているのが[グリル末松]だ。
 新開地の名店[グリル一平]でも修業した千崎智平シェフが、加納町に店を出したのが平成9年2月。以来、三宮や新神戸の会社員により作られる昼時の行列は、加納町の風物詩でもある。
 中でも、とりわけファンが多いのがオムライスだ。
 黄身の色も鮮やかに、軽く焦げ目を付けて焼き上げられる卵は驚くほど薄い。その卵を、アイロン当てたてのシーツのようにピシッとケチャップライスに巻く。なんとも見た目にも食欲をそそる。スプーンを入れると、リズムよく割れるのもいい。
 下から顔を出すケチャップライスの具は、半日かけて飴色に炒めた玉ねぎと鶏のミンチのみ。シンプルだからこそ、飽きのこない味だ。変化をつけるのが、苦いほどに香ばしく濃厚なデミグラスソース。最初は卵とご飯を、次にご飯のみを、そして終盤は米・卵・デミグラスの三位一体を…と楽しめば、人気の理由がわかる気がする。


◎グリル末松
神戸市中央区加納町2−1−9 
電話078-241-1028 
11:30〜14:30(LO14:00) 18:00〜22:00(LO21:30) 
火曜休(祝日の場合は翌日休) 
カウンター6席(1階) 座敷12席(2階) 
禁煙席なし オムライス787円
地図→http://www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E135.11.46.7N34.41.45.3&ZM=11


●昭和の味『インペリアル』 大阪・堂島

 ピシッと折られた三角紙ナフキン、磨き上げられたカウンター、厨房やフロアでテキパキと動く店の方。今や希少となった街の真っ当な洋食店だ。
 昼時の人気を二分するのが日替わりセットとオムライス。盛り沢山なセットに比べて素っ気ないほどのオムライスだが、トマトの酸味が効いた軽やかなソースや、薄いのにふわりと感じる卵とのハーモニーがクセになる。シャキシャキした歯応えを活かすように切り揃えられた玉ねぎと牛肉がケチャップライスの特徴。隠し味にはシェリー酒。仕上げに掛けられた果実風味溢れるソースが、全てをまろやかに包みこみ、丁寧な手作りの時間を感じる優しい味わいだ。ボリュームも十分。メニューを見るとハンバーグやフライを組み合わせたくもなるが、最初は単品で是非。
 前身となる東天満の店から現在地に移転したのが昭和39年。海軍航空兵を復員後、戦前からの本格西洋料理の調理師に師事。薫陶を受け、洋食の世界に入った川口一義さんを筆頭にご家族で営む。どこか懐かしい味を継承しつつ、その実どこにもない丁寧なソースを守り続けている。昼は行列必至、時間をずらしてが得策だ。

◎インペリアル
大阪市北区堂島3-3-1 
電話06-6458ー1359 
11:00〜19:00(土曜〜15:00) 
日・祝休 オムライス700円 
全席禁煙
「携帯電話はご遠慮ください」とのこと
地図→http://www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E135.29.39.4N34.41.36.4&ZM=11