壮観 ちょい尼オヤジの宴

140B居候の松本創です。
社会派とか事件記者とか、なんだか尻がこそばゆく
「すんません」と頭を下げたくなるような紹介文を載せていただいているわけですが、
当ブログへのデビューは、ごくナローな地域のコアなメディアの話で。
 
私、5年ほど前から兵庫県尼崎市という街で「南部再生」という
フリーペーパーの編集発行に携わっていまして、そのスタッフでこのたび
「メイドイン尼崎ブック」というムック本を作りました。

この本、もともとは「メイドイン尼崎」というコンペがネタ元です。
アマで作っているモノ、アマに行かな食べられへん味、いかにも「アマやなあ」な人やコト。
そういうものを自薦他薦問わず公募し、毎年グランプリを選ぶという事業です。
尼崎といえば、阪神工業地帯の中核を担ったモノづくりの街。
かつては重厚長大から中小の町工場までがひしめき、それに伴って大量に流入した労働者たちが
独特の文化を作った、関西屈指のキャラの立った街です。
過去3回のエントリー99点を一挙掲載した本を出したらオモロいやろうと、こういう話でした。

その結果、
「工都の権化」の異名を取る湯たんぽと、漁師町であった時代の記憶が息づく天ぷら、
家電製品のいぶし銀的パーツ「薄板バネ」と、甘くとろける湯葉豆腐…などが見開きで並ぶ、
街的壮挙(か?)ともいえるごった煮的誌面に。
ほかにも、地酒ならぬ地ソースとか、アマダム(尼崎マダム)御用達スイーツとか
甲子園の焼きそばやバックネットとか、NYの地下鉄看板とか、鉄工所の社長が開発した水虫薬とか
開発秘話も作り手の言葉もいちいち「濃い」品々が詰め込まれたわけです。


で、昨日は、そのコンペが県の表彰を受けたお祝いと本の出版記念を兼ねたパーティーがありました。
市長やら県民局長やら近畿通産局の人やら、お歴々がずらり並ぶごたいそうな会だったのですが、
主役はやはり「ちょい尼」な紳士・淑女たち。
「湯たんぽ作って、もう50年ですねん」「ほおー」
「えらい男前に写真載ってますやん」「わはは、すんまへんな」
という会話が賑々しく飛び交う宴でした。

  

阪神の応援で有名なトラのおばちゃん(中央写真)もいましたし、
各界にファンも多いひろたのぽんずの社長(右写真)もいました。
生まれも育ちも尼崎で、第3回コンペの審査員も務めた140Bの大迫は、
ひろたのぽんず社長に握手をしてもらい、涙目になっていました。


表紙デザインや販売・書店営業などで140Bスタッフのアドバイスを受け、
そこはかとなく140B印も香る「メイドイン尼崎ブック」はB5版、72ページで480円。
当面は尼崎市内での販売が中心になりますが、「アマからメジャーデビュー」を夢見て頑張りますので
よろしくお願いします。


ローカルネタをもうひとつ。
私の本拠地は神戸市灘区の水道筋という下町風情の商店街があるところなのですが、
その辺りをうろついている人間ばかりが集まって、近く「ナダタマ」というポータルサイトを立ち上げます。
メインコンテンツは灘愛溢れる8人のブロガーによる、市場や建築や子供やその他諸々をテーマとしたブログ。
私は歌なぞを少しやっているものですから、「灘ノオト」というタイトルで音話を中心に書くことになりました。
「これほど狭い地域限定の、行政などが絡まないポータルサイトはほかに例がない」
ということなんですが…。さあ、ネタは続くのでしょうか。ただいま何が書けるのか整理中です。
本格的に立ち上がれば、またお知らせさせていただきます。