たすきリレー

おはようございます。
140Bの大迫力と書いておおさこちからでございます。


エルマガジンのビール特集にて、
「ビールと小説」というお題をいただき、
『世界レベルの大阪エエもん』のかたわら、
日夜、ビールが出てくるシーンはないか〜と、
ナマハゲのように本を読んでおります。


もうすぐ読み終わるのが、三浦しをん『風が強く吹いている』。
男子寮に集まった10人が箱根駅伝を目指す直球青春小説で…
というだけで缶ビールを開ける「プシュッ」が聞こえてきます。


しかし、おもしろい。
10人のキャラがそれぞれの走る区間とリンクしていて、
すらすら読めるんだけど唸らされてしまいます。
もともと長距離走は好きで、
(中学の時にはマラソン大会2連覇。えへ)
正月の朝は早起きして箱根駅伝を見るのが習慣だったので、
そういう好みも入っているのかも知れません。
ちなみに元旦は8チャンの「爆笑ヒットパレード」で、
星セント・ルイスの「田園調布に家が建つ」と、
青空球児・好児の「ゲロゲ〜ロ!」を見るのが好きでした。
どうでもいい話ですが。


今やっている大阪の本も、4人のライターさんが、
それこそたすきリレーのように取材を終えていっています。
めちゃくちゃ面白い写真たちを、
早くレイアウトされた状態で見せてあげたい、
そんな心境でしょうか。


青山ゆみこから聞いた西加奈子さんの『しずく』も良かった。
ぬるかったビールがだんだんと美味しくなっていきます。
西さんの小説を読むといつも丁寧で誠実な人柄が伝わるのですが、
この短編集もまさにそれを感じられます。
「海は青かった。それは当然なのだろうが、
ものすごく、まっとうに、青色だった」
なんていうあたりに、ものすごく実直な方だなあと、
はっとさせられてしまいます。
なんとなく、気分や雰囲気を一番よく表すお酒は、
もしかするとビールではないか、と思うのです。


風が強く吹いている

風が強く吹いている

しずく

しずく