原稿と編集

こんばんは。140Bのオオサコチカラでございます。


キョースマの夏号の入稿もいよいよ佳境ということで、
ここしばらく入稿マシーンとなっておりました。
今日は朝から4ページ分のブロックを3つ入稿完了。
印刷屋さんに「お願いしま〜す」とお渡しすると、
ほっと一息ですが、その分どっと疲れを感じますね。


原稿を書くのと入稿などの編集作業、
どちらもそれはそれで大変ですが、
2つを一緒にやろうとすると、どっと疲れます。
なんていうか、筋肉の使い方が違うのだと思います。
頭ももちろん使いますが、どちらかといえば、
身体的なもののような気がします。


だから理想は原稿を書くなら原稿だけ、
入稿をするなら入稿だけするのが良いのですが、
なかなかそうも言っていられません。
このあたり、雑誌を作るというのは、
極めて身体的な仕事だと思い知らされます。
ふむ。

「○○まで快速で20分」

こんにちは。140Bの大迫力と書いて、おおさこちからです。


キョースマの入稿をひとまずおいて、
昨日は「阪神尼崎高架下研究会」というのに行っていました。
こないだもちょっと書いたやつですね。
http://d.hatena.ne.jp/team140b/20070511
なにやらたいそうな名前が付いていますが、
阪神尼崎駅の高架下に空きスペースがあるので、
それをどんなふうに有効活用できるのか?
というお題を阪神不動産さんから受けて、
あれこれと話し合うものです。
昨日が第2回目で、暫定的な結論めいたものを出して、
とりあえずはお開きとなりました。


ものにはなんでもきっかけがあるわけで、
今回の場合は、現在、尼崎駅前で進行中の、
タワーマンションの建設計画もその一つの要因です。
また、駅の南側は再開発区画になっていることもあり、
変わりゆく街のために何かできないのかという問題意識が、
阪神さんの思惑としてあったわけです。


ところで、来年から近鉄との相互乗り入れが実現することもあり、
噂によれば、このマンション、大人気なのだそうです。
(あくまで街の噂の域を出ませんが)
件の空きスペースはこのマンションのちょうど真向かいにあり、
研究会においても、「どんな人が住むんだろう?」と話しておりました。


自分が長年住んでいるということでお許しいただきたいのですが、
尼崎でも特に阪神沿線というエリアは、
向く/向かない人がけっこうはっきり分かれる場所です。
(まあ、多くは語りませんけれども)
では、阪神尼崎の街に魅力を感じてそこを選んだのか、
といえば、たぶんそうではなくて、
「梅田まで○分」「難波まで○分」といった、
利便性ばかりが先行しているようです。


というあたりで、それってどうなんだと考えてしまいました。
街に新しく人が増えるのは大歓迎ですが、
さっきも言ったように、かなりアクの強い街なわけです。
正直、万人にとって「住みよい街」とは思えない。
自分の住む街がどんな手触りをしていて、どんな来歴があって、
どんなにおいがして、どんな顔の人が多いのか、
タワーマンションな人々は、
そういうことにはあまり頓着していないように思えて、
ちょっとなんだかなあという気分になったのです。


これは別に尼崎に限った話しではなくて、
中心市街地と呼ばれるどこの街においても言えることです。
不動産のチラシなんかを見ていると、
どれだけこの場所が通勤に便利かということが、
それこそ第一条件のように書かれているわけですが、
つまりそれって、他の都市の存在によって、
自分の街のアイデンティティ(の一部)を成立させるということ。
住む人にも住まれる街にも、あまり良いように思えません。
通勤時間が短いほど、住む街で過ごす時間は長いわけだし。
(それとも住むというより、寝るだけなのか)


数字や金額で住む場所を選ぶ感覚は僕には分かりませんが、
背に腹は代えられんという場合もあるのでしょう。
どこに住んでんの? と聞かれて、
「アマですわ」と言う人はどのくらいいるんだろうか。
タワーマンションができたあかつきには、
探偵ナイトスクープ』にハガキ出してみようかなあ。

格差社会は徳川家康がワルい?

こんにちは、140Bの大迫力ことおおさこちからです。


今日はラジオコンテンツのご紹介です。
株主であり、140Bにとってはワルい兄貴である、
平川克美さん(http://plaza.rakuten.co.jp/hirakawadesu/)の始めた、
「ラジオデイズ」にて、ついに関西編が始動します。
http://www.radiodays.jp/ja/index.html


以前もご紹介しましたが、ラジオデイズとは、
インターネットからダウンロードする音声コンテンツ。
いわば、i-tuneのラジオ番組版という感じでしょうか。


東京では平川さんの好きな落語家さんを中心に、
番組の制作が進んでおり、既に視聴サイトもできています。
その視聴サイトに、江弘毅も出演する関西編が登場!
第1回は大西ユカリさん、第2回は上方講談師の旭堂南海さんをゲストに、
大阪弁から上方文化まで幅広い放談、いや考察が繰り広げられています。


冒頭の一文は旭堂南海さんと江のやり取りから出てきた言葉。
それって一体どういうこと?
気になった方は、すぐにアクセスをどうぞ。
小気味の良い江戸弁も満載、内田樹先生のおしゃべりも聴けます。

シアワセ者

こんばんは。おおさこちからでございます。


キョースマ夏号の編集作業も大詰め、
ここから一気にラストスパート! という感じです。
明日は、念願の森見登美彦さん(http://d.hatena.ne.jp/Tomio/)の取材。
日頃の行いが良かったかどうかはさておき、
天気は快晴のもよう。うう、緊張するけど楽しみです。


そんな大詰めの作業をかかえながらも、
気分転換にと(してる場合かい)、
日頃、お世話になりまくっている「あまけん」の若狭さんから頼まれた、
阪神尼崎駅前の喫茶店[エンドオ]の引っ越し作業へむかう。
このお店は駅前で数十年という尼崎でも随一の老舗喫茶です。
しかし、残念ながら駅前再開発の都合上、
先月で店を閉められました。
しかし、そこで使われている家具や調度品は、
捨てるに忍びないものがたくさんあって、
じゃあちょっと保管して、使い道を考えましょうということになり、
その移設・搬入作業をしてきたというわけです。



ご覧の通り、かなり年季の入ったシブい品々です。
どんなふうに使うのか、まだ全然決まっていないのですが、
何か良い形になればいいと思っています。


もちろんお金をもらっているわけでもなく、
使わなくなった家具をもらうというわけでもないにもかかわらず、
そんなことに全く頓着せず、人と人をつないで、
こういう機会を作ろうとする人のいる街に住んでいるというのは、
とてもシアワセなんじゃないだろうか。


これも若狭さんの紹介なんですが、
尼崎駅の高架下の空きスペースをどう活用するか?
というプロジェクトというか研究会にも参加させてもらっています。
街への恩返しでもないですが、
またご報告できる形になれば、お知らせします!

「書く人」の考えること

こんにちは。連休はいかがでしたか?
140Bの大迫力と書いて、おおさこちからでございます。


なかなか最近、更新がままなっておりません。
忙しいのかとか問われれば、まあそれなりにと答えるわけなのですが、
とはいえブログを書く時間が全くないかと言われれば、
それもまた、いやそれほどでも…と恐縮してしまいます。


先日、のぞみの藤田社長と話していて、
「よう書いてるな〜」(http://blog.kansai.com/takahiro+kdc_category+0
というブログ談義を少ししていました。
藤田くん曰く「毎日書いてたら、慣れてくるで。
メモでも書くように書くねん」とのこと。
ふーむ。メモ、か。


話しは飛ぶけれど、世の中には「書く人」というカテゴリーが存在すると思う。
それはたくさん書くとか、そういう量的な話しではなくて、
書かずにはいられないというか、書いてしまうというか、
自分にとって「書くこと」は当たり前だと思っている、というような感じです。
以前、文学誌の『文學界』新人賞を受賞された方にインタビューをしましたが、
半ば個人的な質問のように、「書くこと」に対しての姿勢のようなことを聞いてみると、
「なんていうか、自然に。自分は書くものだと思っていた」という返答だった。
その「なんでそんなことを聞かれるのか分からない」という顔に、
ああこの人は「書く人」なんだなあ、と感じたものです。


たとえば、140B 大迫で言うならば、青山ゆみこは「書く人」で、
江弘毅や僕は「書く人」ではないように思います。
もちろん江弘毅は連載をたくさん抱えている(最近また増えました!)、
バリバリの「書き手」ではあるわけですが、
それは何らかの要請があって、日頃の思索をアウトプットするという印象。
逆に(かどうかは分かりませんが)青山ゆみこのブログなどを見ていると、
http://yummyao.at.webry.info/
書きながら考えているというか、書くことで考えているというか、
アウトプットなんだけどインプットのようで…。


あくまで僕の印象ですが、藤田くんもそうだし、
思考するラガー・平尾さんも「書く人」ではないかと思っています。
http://www001.upp.so-net.ne.jp/canvas/index.html
みなさんの書いていること・考えていることを読んでいると、
ためらいがなく、とてもダイナミックで、
うーんちょっと真似はできないなと感じてしまうんですよね。
同じ文章でもなんだか違うもののような気がします。


だからって、ブログを更新できていなことにはつながらんわけですが、
ブログという気分・気質に左右される、
文章を主役とするメディアを前にして、
「書く」ということに対して、そんなことを思う今日この頃です。
すみません、まとまりなくって。

大文字山へ登るの巻

こんばんは。かなり更新をサボっておりました。
140Bの大迫力ことオオサコチカラでございます。


はてさて黄金週間と書いてゴールデンウィークと読む連休に突入するわけですが、
みなさんはどんな過ごし方をされるのでしょうか。
僕はおそらくたまっている原稿をここで一気に片付けようかしら、という感じ。
つまりはどこかへ遊びに行くよりも、仕事を片付けた方が、
精神的にはラクになれるんではないか、ということであります。
ゆっくり出てきて早めに帰るというのは、
僕のような小心者にはこれがなかなか良い過ごし方で、
仕事があるのに、まるっと全く休んでしまうと、
いやはやどうして落ち着かない。
少しでも仕事を片付けていると「よっしゃ!」というふうに、
休むのに集中できるわけです。


まあ、そんな人間はあんまりいないわけで、
勤め人であるうちの両親も大型連休の波に乗って、
今日の夜から佐渡へ出かけたわけであります。
で、問題は佐渡へ何をしに行くのかってことなんですが、
なんでも山登りをしに行くとの由。
なんでまたという気がしないこともないわけですが、
実はうちの両親は山登り好きでして、
僕も小さい頃、オヤジに背負われ、
六甲山に登ってはイノシシに泣かされるという幼少期を過ごしました。


そんな健脚一家の血を引いたせいでは決してないと思われますが、
先日、京都の大文字山に登って参りました。
大文字山って、あのご丁寧に「大」と名前の書いてある大文字山です。
『新釈 走れメロス』で斎藤秀太郎が苦心の末、
天狗になり巣くってしまった彼の地です。
そんなミーハー(?)気分も半分、
キョースマの取材を兼ねて(ていうかこっちが主題)、
快晴の大文字山へといざ足を伸ばしたのであります。


登ること30分。…着きました。
はい、着きました。頂上に、です。
気軽に登れるとは聞いていたものの、ここまで気軽とは!
神戸の六甲山もたいがいすいすいと登ることができますが、
それを遙かに凌駕しています。
でもって、眼下に広がる京都盆地の見事なこと。
コストパフォーマンスなんてのは野暮ではありますが、
労力対爽快感の高さでは屈指のスポットであるといわざるをえません。


絶景へとお導きをいただいたのは、
同志社大学清瀬みさを先生です。
(先生へとお導きいただいたのは、本願寺出版社のフジモトさん。
どうもありがとうございます!)
年に2回、ゼミ生を引き連れて大文字登山コンパ(勝手に命名)を行うという、
筋金入りの大文字フリークです。
てな感じで、次号のキョースマは「住んでるわたしの京都“夏”百景」。
なるほどこんな京都の夏の感じ方があったのね、
を連発していただければこれ幸いです。


ちなみに、森見登美彦さんも登場しますので!

産経新聞夕刊の美味しい話の告知。

作家の黒川博行さんのご縁で、ときどき、
わはは、うひひ、ぐびぐび…と遊んでいただいている
産経新聞のトリイブチョーさん。
青山ゆみことは、街社会において舎弟の盃を交わした仲でもあります。


少し前からリニューアルされた、
ブチョーさんが手掛ける産経新聞の夕刊にて、
そんなご縁もあってかなくてかいやあってだろう…と
3週間に1回のお店の話を書かせていただいてます。



『昭和の味 平成の逸品』銘打ったこの企画。
毎回、あるひとつのメニューを通して、
昭和から続く老舗と
平成以降に開店したお店を
料理や成り立ちなどから取材して話をしよう、
という内容です。



ほとんどが、青山の私的行きつけ店であり、
ミーツ時代に取材経験の店でもありますが、
今回はじめて聞くお話も多く、
取材も毎回、楽しみに出かけています。


そして次回は、明日の5月2日(水)の夕刊。
駅の売店などで見かけたら
何気なくご購入くださいませ(へへへ)。


あたしも嬉しい、トリイブチョーもきっと嬉しい。
そして、なにより、読んで行っていただいたら
きっと皆さんにも嬉しいがあると信じております。


そして、今日は、ボーナストラックとして
前回の「オムライス」の2軒の原稿をアップします。
関西圏外の方も、こちらに出張の際はぜひどうぞ。

※黄金週間中は、お休みが変動の可能性あり。あしからず。



産経新聞4月11日夕刊掲載 写真・文=青山ゆみこ
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●平成の逸品『グリル末松』 神戸・加納町

港町の風情を残す老舗洋食店が健在の神戸にあって、平成生まれのトラディショナル洋食として地元民に支持されているのが[グリル末松]だ。
 新開地の名店[グリル一平]でも修業した千崎智平シェフが、加納町に店を出したのが平成9年2月。以来、三宮や新神戸の会社員により作られる昼時の行列は、加納町の風物詩でもある。
 中でも、とりわけファンが多いのがオムライスだ。
 黄身の色も鮮やかに、軽く焦げ目を付けて焼き上げられる卵は驚くほど薄い。その卵を、アイロン当てたてのシーツのようにピシッとケチャップライスに巻く。なんとも見た目にも食欲をそそる。スプーンを入れると、リズムよく割れるのもいい。
 下から顔を出すケチャップライスの具は、半日かけて飴色に炒めた玉ねぎと鶏のミンチのみ。シンプルだからこそ、飽きのこない味だ。変化をつけるのが、苦いほどに香ばしく濃厚なデミグラスソース。最初は卵とご飯を、次にご飯のみを、そして終盤は米・卵・デミグラスの三位一体を…と楽しめば、人気の理由がわかる気がする。


◎グリル末松
神戸市中央区加納町2−1−9 
電話078-241-1028 
11:30〜14:30(LO14:00) 18:00〜22:00(LO21:30) 
火曜休(祝日の場合は翌日休) 
カウンター6席(1階) 座敷12席(2階) 
禁煙席なし オムライス787円
地図→http://www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E135.11.46.7N34.41.45.3&ZM=11


●昭和の味『インペリアル』 大阪・堂島

 ピシッと折られた三角紙ナフキン、磨き上げられたカウンター、厨房やフロアでテキパキと動く店の方。今や希少となった街の真っ当な洋食店だ。
 昼時の人気を二分するのが日替わりセットとオムライス。盛り沢山なセットに比べて素っ気ないほどのオムライスだが、トマトの酸味が効いた軽やかなソースや、薄いのにふわりと感じる卵とのハーモニーがクセになる。シャキシャキした歯応えを活かすように切り揃えられた玉ねぎと牛肉がケチャップライスの特徴。隠し味にはシェリー酒。仕上げに掛けられた果実風味溢れるソースが、全てをまろやかに包みこみ、丁寧な手作りの時間を感じる優しい味わいだ。ボリュームも十分。メニューを見るとハンバーグやフライを組み合わせたくもなるが、最初は単品で是非。
 前身となる東天満の店から現在地に移転したのが昭和39年。海軍航空兵を復員後、戦前からの本格西洋料理の調理師に師事。薫陶を受け、洋食の世界に入った川口一義さんを筆頭にご家族で営む。どこか懐かしい味を継承しつつ、その実どこにもない丁寧なソースを守り続けている。昼は行列必至、時間をずらしてが得策だ。

◎インペリアル
大阪市北区堂島3-3-1 
電話06-6458ー1359 
11:00〜19:00(土曜〜15:00) 
日・祝休 オムライス700円 
全席禁煙
「携帯電話はご遠慮ください」とのこと
地図→http://www.mapfan.com/index.cgi?MAP=E135.29.39.4N34.41.36.4&ZM=11